【寸劇で学ぶ】事業計画書に社長と秘書が大混乱!敏腕税理士が教えた「本当の使い方」とは?

はじめに

スタートアップ経営者の皆さん、こんな経験はありませんか?

「今月の売上目標は達成したけれど、なぜか会社の方向性に迷いを感じる…」 「従業員に『会社の将来はどうなるんですか?』と聞かれて、うまく答えられなかった…」 「新しいプロジェクトの判断基準が曖昧で、いつも場当たり的な決定になってしまう…」

これらは全て、経営計画が不在、または形だけの計画になっていることから生じる典型的な課題です。

多くの経営者が「事業計画書は銀行や投資家のための書類」だと思い込んでいますが、実はそこに大きな誤解があります。経営計画の本当の価値と使い方を知ることで、これらの悩みは劇的に解決できるのです。

今回は「経営計画の本当の使い方」について、株式会社Gear Second の田中社長が税理士に相談し、目からウロコの気づきを得ていく様子を寸劇を交えながら分かりやすく解説していきます。


寸劇:田中社長、税理士事務所の扉を叩く

【場面1:会社にて – 融資申請の準備で大混乱】

田中社長:「佐藤さん、銀行への融資申請の事業計画書、もうできた?来週には提出しないといけないのに…」

佐藤秘書:「社長!大変です!他社の事業計画書を参考にしようと思ったんですが、どれも立派すぎて何を書けばいいのか全然分からないんです!」

田中社長:「えっ、そんな…!このままじゃ融資が通らないよ。うちの会社、本当に大丈夫なのかな?事業計画も立てられないなんて、経営者失格じゃないか…」

佐藤秘書:「社長、落ち着いてください!でも確かに、何のためにこんな分厚い資料を作るのか、私にもよく分からなくて…。これって本当に必要なんでしょうか?」

田中社長:「そうだ!鈴木税理士に相談してみよう。きっと何かアドバイスをもらえるはずだ!」

【場面2:税理士事務所にて】

鈴木税理士:「お二人とも、落ち着いてください。まずは状況を整理しましょう。事業計画書でお困りとのことですが、具体的にはどのような点でしょうか?」

佐藤秘書:「先生、事業計画書って銀行の人に見せるためのものですよね?でも何を書けばいいのか全然分からないんです!」

田中社長:「そうなんです。融資を受けるためには立派な計画書が必要だと思うんですが、うちみたいな小さな会社でも、大企業みたいな計画を立てないといけないんでしょうか?」

鈴木税理士:「なるほど、そこに大きな誤解がありますね。実は、事業計画書の最も重要な読者は、銀行でも投資家でもありません。あなたたち自身、そして会社のチームなんです。」

田中社長:「えっ?自分たちのため?」

佐藤秘書:「でも先生、事業計画書って外部の人に見せるものじゃないんですか?」

鈴木税理士:「それは一面的な見方です。確かに融資申請には必要ですが、本当の価値はもっと深いところにあります。田中社長、普段、会社がどこに向かっているか、従業員の皆さんと共有していますか?」

田中社長:「うーん…正直、僕の頭の中ではビジョンがあるつもりなんですが、それを言葉にして伝える機会はあまり…」

鈴木税理士:「そこがポイントです。事業計画書を作る過程で、田中社長の頭の中にある想いや戦略が整理され、それがチーム全体の共通理解になるんです。」


CEOたちが抱えていた課題の正体は?

田中社長と佐藤秘書が混乱していた原因は、多くの経営者が陥る典型的な思い込みでした:
「事業計画書 = 外部向けの義務的な書類」
この考え方が引き起こす問題を、具体的に見てみましょう。

経営計画を作らない・活用しないことのデメリット

経営計画の不在や形式的な運用は、経営者自身とチーム全体に深刻な影響をもたらします:

1. 経営者自身への影響

  • 判断基準の不明確さ:日々の意思決定に一貫性がなく、「これで本当に良いのか?」という不安が常につきまとう
  • 思考の混乱:頭の中にある漠然としたアイデアが整理されず、論理的な矛盾や考慮不足に気づけない
  • ストレスの増大:場当たり的な対応が続き、経営者としての自信を失いがちになる

2. チーム・組織への影響

  • 従業員の混乱とモチベーション低下:会社の方向性が分からず、自分の役割や貢献度が見えない
  • 組織の足並みの乱れ:各部署や個人がバラバラの方向を向いて働いてしまう
  • 人材流出のリスク:将来に不安を感じた優秀な人材が離職してしまう

3. 事業成長への影響

  • 機会損失:明確な戦略がないため、成長のチャンスを見逃したり、判断を誤る
  • リソースの浪費:限られた資金や人材を、効果の低い分野に分散してしまう
  • 外部からの信頼失墜:銀行や投資家、取引先から「計画性のない会社」と評価される

なぜ、その課題に直面したのか?

スタートアップが「事業計画書は外部向け」という誤解に陥りやすい背景には、以下のような原因があります:

1. 成功事例の表面的な模倣

大企業や有名スタートアップの事業計画書を見て、「立派な資料を作らなければ」と考えてしまう。しかし、会社の規模や状況が違えば、必要な計画の内容も形式も全く異なります。

2. 「見栄え」重視の罠

投資家や銀行に良い印象を与えたいという気持ちから、実態とかけ離れた「見栄えの良い」計画を作ろうとしてしまう。

3. 内部コミュニケーションの軽視

外部の評価ばかりを気にして、社内のチームとの対話や合意形成をおろそかにしてしまう。


税理士はどう解決に導いたか?

【場面3:解決策の提示】

鈴木税理士:「では、事業計画書の本当の使い方をお教えしましょう。まず、田中社長、御社の3年後のビジョンを佐藤さんに説明してみてください。」

田中社長:「えーっと、3年後は…売上を今の3倍にして、従業員も20人くらいに増やして…」

佐藤秘書:「社長、それって具体的にはどんな事業をするんですか?今のサービスを拡大するんですか?」

田中社長:「あ、えーっと…それは…」

鈴木税理士:「ほら、もうここで止まってしまいましたね。これが『頭の中では分かっているつもり』の典型例です。事業計画書を書く過程で、こうした曖昧な部分が全て明確になります。」

佐藤秘書:「なるほど!書くことで、考えがまとまるんですね。」

鈴木税理士:「その通りです。そして、一度文書化された計画は、チーム全体の共通の羅針盤になります。新しい企画を検討する時、人材採用を考える時、すべて事業計画に立ち返って判断できるようになります。」

経営計画を正しく作成・活用することのメリット

鈴木税理士が田中社長に伝えた、経営計画の真の価値とは:

1. 経営者自身への効果

  • 思考の整理と明確化:頭の中の漠然としたアイデアが明確な戦略に変わり、自信を持って意思決定ができる
  • 論理的な一貫性:書き出すプロセスで論理的な矛盾や考慮不足を発見し、より精度の高い計画を立てられる
  • 新しいアイデアの創出:言語化する過程で、思考の中だけでは生まれなかった新しいアイデアが閃く

2. チーム・組織への効果

  • 共通理解の創出:全員が同じビジョンを共有し、「なぜ」その取り組みを行うのかを理解できる
  • モチベーションの向上:各自の役割が会社全体のビジョンのどこに位置づけられているかが明確になる
  • 組織の結束力強化:同じ方向を向いて進む原動力となり、チームワークが向上する

3. 事業成長への効果

  • 効率的なリソース活用:限られた資金や人材を、最も効果的な分野に集中投入できる
  • 継続的な成長:明確な目標と計画により、着実にステップアップしていける
  • 外部からの信頼獲得:銀行、投資家、取引先から「しっかりした会社」として評価される

【場面4:納得と安心】

田中社長:「なるほど!事業計画書って、銀行のためじゃなくて、僕たちのためのものだったんですね。」

佐藤秘書:「これなら、立派な資料を作ろうと気負わずに、まずは社長の考えを整理することから始められそうです!」

鈴木税理士:「そうです。完璧である必要はありません。大切なのは、経営者の想いをチーム全体で共有し、同じ方向を向いて進むことです。銀行への提出はその副産物に過ぎません。」

田中社長:「ありがとうございます、先生!これで安心して事業計画書に取り組めます。まずはチームみんなで会社の未来について話し合ってみます!」


まとめ

今回の寸劇では、事業計画書に対する根本的な認識を転換することの重要性をお伝えしました。

重要なポイント:

  • 事業計画書の最大の受益者は外部ではなく「あなたのチーム」
  • 計画の不在は経営者の迷い、チームの混乱、事業の停滞を招く
  • 適切な計画は思考整理、チーム結束、持続的成長を実現する強力なツール
  • 完璧な資料より、継続的に活用できる「生きた計画」が重要

多くの経営者が「外部への見栄え」を重視してしまいがちですが、本当に大切なのは「社内の現実」に向き合うことです。事業計画書は義務的な書類ではなく、会社の成長を支える強力なツールなのです。

経営計画について悩みを抱えている経営者の方、一人で抱え込まずに専門家に相談してみてください。きっと新しい視点や解決策が見つかるはずです。もしも悩みがあるようでしたら、ぜひ相談してみてください。

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