はじめに
「技術には自信があるのに売上が伸びない」「新規顧客開拓がうまくいかない」といった悩みを抱えるIT企業の経営者は多いのではないでしょうか?優れたシステムやサービスを提供しているにも関わらず、それを必要としている顧客に効果的にアプローチできず、売上拡大に苦戦するケースは珍しくありません。
今回は、ローカルベンチマーク(ロカベン) を活用して自社の強みや顧客提供価値を明確化し、効果的な営業戦略を構築することで売上拡大を実現していく様子を寸劇を交えながら分かりやすく解説していきます。ロカベンによる「強み・顧客提供価値の明確化」と「具体的なアクションプランの策定」が、どのようにして売上拡大や販路開拓に直結するのかを見ていきましょう。
寸劇:田中社長、税理士事務所の扉を叩く
場面1:会議室での悩み
田中社長:「佐藤さん、今月もまた売上が横ばいだった…技術力には自信があるし、既存のお客様にも満足してもらっているのに、なぜ新規開拓がうまくいかないんだろう」
佐藤秘書:「社長!確かに私たちのシステムは素晴らしいです!でも、営業に行っても『他社との違いがよく分からない』って言われることが多いですよね…どうしましょう社長!」
田中社長:「そうなんだ。プレゼン資料も技術仕様ばかりで、お客様にとってのメリットが伝わっていない気がする。これは一大事だ!」
佐藤秘書:「本当に一大事です!このままでは会社の成長が止まってしまいます…営業のプロを雇うべきでしょうか?」
場面2:税理士事務所にて
田中社長:「鈴木先生、実は売上拡大で悩んでいまして…技術には自信があるのですが、お客様に価値が伝わらず、新規開拓に苦戦しているんです」
佐藤秘書:「そうなんです先生!私たちの技術はこんなに優れているのに、全然売れなくて…もう営業が怖いです!」
鈴木税理士:「まあまあ、お二人とも落ち着いてください。技術力があるのに売上が伸びないIT企業は実は多いんです。田中社長、御社の『本当の強み』や『顧客に選ばれている理由』を明確に説明できますか?」
田中社長:「えーっと…技術力が高いことと、レスポンスが早いことでしょうか…でも改めて言われると、具体的に何が違うのか説明しづらいですね」
鈴木税理士:「それでしたら、ローカルベンチマーク、略してロカベンというツールを使って、御社の事業を整理してみましょう。これにより『顧客提供価値』と『差別化ポイント』が明確になり、効果的な営業戦略が見えてきますよ」
場面3:ロカベン作成セッション
鈴木税理士:「まず、既存のお客様が御社を選んでいる『本当の理由』を探ってみましょう。業務フローから見ていきますが、お客様からの問い合わせを受けてから、システム納品まで、どのような流れで進めていますか?」
田中社長:「お客様からヒアリングして、要件定義をして、開発して…一般的な流れですね」
鈴木税理士:「その『ヒアリング』の部分、もう少し詳しく教えてください」
佐藤秘書:「あ!そういえば、社長は必ず現場に足を運んで、実際の業務を見学してからシステム設計するんです!」
田中社長:「そうですね。机上の要件定義だけじゃ、本当に使いやすいシステムは作れませんから。現場の方の動線まで考慮して設計します」
鈴木税理士:「素晴らしい!それこそが御社の差別化ポイントですね。『現場密着型のシステム設計』こそが、お客様に選ばれている理由です」
佐藤秘書:「え!?それって当たり前のことだと思っていました!」
鈴木税理士:「多くの企業が『当然のこと』と思っている業務が、実は大きな差別化ポイントになっているケースは非常に多いんです。これをロカベンで整理して、営業ツールとして活用しましょう」
場面4:営業戦略の転換
田中社長:「鈴木先生に作成いただいたロカベンシートを基に、営業資料を全面的に見直しました!」
佐藤秘書:「今までは技術仕様ばかりでしたが、『現場業務の効率化』『導入後の作業時間短縮』を前面に出したんです!」
鈴木税理士:「いかがでしたか?お客様の反応は変わりましたか?」
田中社長:「驚くほど変わりました!『この会社は私たちの現場をよく理解してくれそう』と言ってもらえて、商談の進み方が全然違います」
佐藤秘書:「しかも、ホームページも見直して、導入事例を『業務改善効果』中心で紹介したら、問い合わせが3倍になりました!」
鈴木税理士:「それは素晴らしい成果ですね。ロカベンで明確になった強みを活かせていますね」
田中社長:「はい!今まで『技術を売っている』と思っていましたが、実は『現場の業務改善ソリューション』を提供していたんだと気づきました。おかげで今月は過去最高売上を達成できそうです!」
CEOたちが抱えていた課題の正体は?
田中社長たちが直面していた課題は、「自社の真の強みと顧客提供価値を認識・言語化できていない」 という、多くのIT企業が抱える共通の問題でした。
具体的な課題として:
- 技術仕様偏重の営業:システムの機能説明に終始し、顧客にとってのメリットが伝わらない
- 差別化ポイントの見落とし:「当たり前」と思っている業務プロセスに、実は大きな価値があることに気づいていない
- 顧客視点の欠如:自社目線での価値提案になり、顧客の真のニーズとのミスマッチが発生
これらの課題により、優れた技術力を持ちながらも、それを適切に市場価値として表現できず、売上拡大の機会を逃していました。
なぜ、その課題に直面したのか?
IT企業が同様の課題に直面しやすい背景には、以下の要因があります:
1. 技術者思考の強さ エンジニア出身の経営者は技術的優位性に注目しがちで、顧客の業務改善効果という「価値」の視点が不足しがちです。
2. 「当たり前」の錯覚 日常的に行っている丁寧なヒアリングや現場観察を「普通のこと」と捉え、それが競合他社との大きな差別化要因であることに気づいていません。
3. 内向きな事業理解 自社の業務プロセスや強みを客観的に分析・整理する機会が少なく、外部に伝わりやすい形で価値を言語化できていません。
田中社長のケースでも、現場密着型のシステム設計という強力な差別化要因を持ちながら、それを顧客価値として認識・活用できていませんでした。
税理士はどう解決に導いたか?
鈴木税理士は、ロカベンを活用して以下の解決策を提供しました:
1. 顧客提供価値の明確化
- 業務フロー分析により「現場密着型のシステム設計」という差別化ポイントを発見
- 技術仕様ではなく「業務改善効果」を価値の中心に据える
- 既存顧客が選んでいる「本当の理由」を言語化
2. 営業戦略の転換
- 技術仕様中心から顧客メリット中心への営業資料見直し
- ホームページでの訴求ポイントを「導入効果」にシフト
- 「技術販売」から「業務改善ソリューション提供」への意識変革
3. 具体的なアクションプランの策定
- 営業プロセス全体の見直し(ヒアリング手法の標準化)
- マーケティング施策の改善(導入事例の効果的な紹介)
- 新規開拓ターゲットの明確化(現場業務に課題を抱える企業)
実践的なポイント:
- ロカベンシートを営業ツールとして積極活用
- 定期的な顧客フィードバック収集による価値提案のブラッシュアップ
- 競合他社との差別化ポイントの継続的な分析・強化
まとめ
今回の寸劇を通じて、ロカベンが単なる事業整理ツールではなく、売上拡大のための戦略的な武器となることがお分かりいただけたでしょうか。
田中社長のケースでは、ロカベンの活用により:
- 自社の真の強みである「現場密着型システム設計」を認識
- 技術仕様から顧客価値への営業アプローチ転換を実現
- 問い合わせ数3倍増、過去最高売上達成という具体的成果を獲得
といった劇的な変化を遂げることができました。
売上拡大で壁に突き当たった時、自社の強みを見つめ直し、顧客視点で価値を再定義することの重要性は計り知れません。ロカベンのような体系的なツールを活用することで、あなたの事業の隠れた価値を発見し、効果的な売上拡大戦略を構築できるはずです。
もしも売上拡大や新規開拓について悩みがあるようでしたら、ぜひ税理士などの専門家に相談してみてください。
